ネオマデザインの考えるデジタルサイネージとは
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そもそもデジタルサイネージって何でしょうか?
弊社の事業内容に掲げていますが実際なんのことかわからない人も多いかと思います。
デジタルサイネージ (Digital Signage) は、その名の通り電子看板という意味で、ディスプレイやプロジェクタなどを使って映像や情報を発信する広告媒体のことです。
駅の中やお店の入口あたりで商品や情報を表示しているのを一日一度は皆さんも見かけているのではないでしょうか? 電車の中でも最近はテレビCMのような広告が流れています。観光地にいくと観光案内が紙の看板ではなく、大画面のディスプレイだったりタッチできるパネルディスプレだったりとデジタルサイネージは日本全国色んなところでみかけることができます。
スマートフォンのアプリでも音楽や映画のイベントなどに合わせてダウンロードし特別に楽しめるサービスがありますが、あれも販促という意味では個人配信向けのデジタルサイネージと言えます。
一方、最近では広告なのかイベントのアトラクション/催し物なのか区別がつかないデジタルサイネージも増えてきています。人の動きや顔の表情などに反応して光ったり動いたりするインタラクティブなコンテンツです。
2008年に私もPS3を使ったインタラクティブデジタルサイネージを開発し発表しました。PS3は、圧倒的なCPU演算能力を持つCell、グラフィックパワー、そして認識エンジンそしてフルHDに対応していましたから、インタラクション(双方向)によるアイキャッチ(目を引く)機能との相性は抜群でした。
鏡のように写った自分の体が燃えたり、本物の水の中にいるようにみえたり、立つ人の性別などによって広告が一瞬にして変わる等。当時、このPS3を使ったデジタルサイネージは、業界に一石を投じ驚愕させたのですが、いまやインタラクティブサイネージは本当に普通に行われるようになってきました。
自動販売機の前に立つとお勧めをしてきたり、そのお店の洋服を着せ替え人形のようにできたり、各社が知恵を絞り新しいIT技術を駆使して新しいサイネージを考えています。
さて、広告というと「正直、うっとおしい」と思う人もいるかと思います。商品やサービスを全面に押し出し、有名人をつかったもの、自分に合わないものだとそう感じるのも不思議ではありません。 ディスプレイやサイネージ装置が安くなり、ネット経由でいつでもコンテンツを配信できるようになったのはありがたいことです。しかし、一方でディスプレイが乱立し、その店の雰囲気や空間に合わなくなってるものが目立ちます。
「これ置いとくと集客効果にいいですよ」「もうどこも動画で販促してますから」と営業の甘い言葉にのってしまっているのかどうかはわかりませんが、ディスプレイを置いて動画広告を流していればいい、そんな感じの残念なデジタルサイネージもよく見かけます。
また、インタラクティブサイネージは、時にランダム性もありゲーム的であるので、一時的な集客には効果抜群ですが、人というのは分かってくると飽きてしまう動物です。誰も見向きもしなくなります。
デジタルサイネージの最終的な目的は、そこで実現したいことをちゃんと顧客に伝えて誘導することだと思っています。商品なら購買、口コミ宣伝活動につながれば役目は果たしたことになります。よって、「見てくれない」「気がついてくれない」「印象に残らない」のは致命的です。
ネオマデザインの考えるサイネージは下記の3点を大事にしたいと思っています。偶然にもそれぞれ「間」(ま)の漢字がやはり当てはまります。^^
- 広告やサービスなどのモノを含めた体験、その場所の空間全体を含めて印象に残るコト(時間、空間)
- 無理やりではなく自然に入ってくる感覚(間)
- 人とのコミュニケーション(人間)
これらを解決するには、単純に広告のコンテンツをよくするだけではダメです。
ユーザ目線に立ちユーザの体験(UX)を考えていく必要があります。心理学や経済行動学などもそのために応用します。飽きさせない工夫も必要です。奇抜な装飾やコンテンツもいいのですが、その地域や空間に溶け込む事も時には必要です。
いまは、blog のようにスマートフォンで写真をとってちょっと加工し文字を入れれば簡単な広告コンテンツができてしまう時代です。広告というと押し付け的な感じがしますが、もっと顧客や店舗/従業員側がすり寄ることができるはず、とも思っています。
もちろん個人的にはエンジニアとして、より人を驚かせられるようなインタラクションも考えていきます。
デジタルに慣れた現代人には、むしろアナログ的な、紙や何かモノで作り上げた空間のほうが今は新鮮かもしれません。ネオマデザインでは、何を誰にどこでどうしたいかをしっかり考えて最適な方法を考えていきます。それはもうデジタルサイネージとは言わないモノになっているかもしれません。
次回は、実際に私が関わったデジタルサイネージを取り上げて、どうアプローチしたかを説明できたら、と思っています。お楽しみに。