ハイテク化が進むラスベガスのカジノから〜空間と体験〜
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先日、ラスベガスに出張で行ってきました。ラスベガスと聞いて何を思い浮かべますか?
カジノ、シルクドソレイユなどに代表されるショー、派手なホテル、グランドキャニオン…
CES, NABなどに代表される国際展示会と答える方もいるかと思います。今回は、その中で日本ではあまり馴染のないカジノについて筆者の体験中心にします。なおカジノの是非や攻略法については本ブログでは主旨とは異なるので致しません。
さて、日本で公の機関が認めるギャンブルというと公営競技で、競馬/競輪/競艇/オートレースがあります。ギャンブル/賭博というと何となくうさん臭く、そして、クリーンでないイメージを持つ人もいるかと思います。私は、日本を出発する時は「絶対すられる(負ける)からカジノは見るだけにしておこう」と思っていたのですが、まんまと現地ではスロットやポーカーを(少し)嗜んできました。なぜでしょうか?
誘惑にまけた?
ギャンブル好きなんじゃないの?
いえいえ、ギャンブルに対して良くないイメージを払拭されるぐらいの環境がそこラスベガスにはあったからです。その理由は以下の3つにあると思います。
- カジノを特別扱いしない(気楽に遊べる環境作り)
- 金のにおいを消す(脱メダル)
- ハイテク感(ギャンブルよりもゲームセンター感覚)
それぞれをみていきましょう
気軽に遊べる環境
ラスベガスに行った事がある人はもうご存知だと思いますが、空港につき飛行機を降りてターミナルに入ったとたんに目の前にスロットやポーカーマシンがお出迎えします。いきなりです。これには面食らいました。ただ、さすがに空港降りてすぐなんてやりませんが、見ると発着待ちの時間潰しにやっているひともいます。
世界最大級のゴージャスなホテルが建て並ぶラスベガスの一番の繁華街通りのストリップ (Las Vegas Strip) にはカジノが多く存在します。ほとんどがホテル内に併設されていますが、特別なカジノフロアがあるわけではありません。ホテルのロビーと繋がるフロア自体がほぼ全部カジノフロアで占められています。
例えば下図は噴水ショーで有名なベラージオ (Bellagio) のフロアマップですが、中央のメインエントランスとロビーのすぐ上の朱色部分は全部カジノです。有名なシルクドソレイユ オー(O)の劇場は、カジノフロアを通り抜けたところにあります。
また2006年にできた比較的新しい豪華リゾートホテル Whynn Las Vegas のフロアマップを見てください。左右に二ヶ所カジノがありどこのエントランスから入ってもカジノは目の前です。カジノを抜けると高級ブティックが建ち並ぶエリアが併設されているのがラスベガス ストリップのホテルではよくあるレイアウトです。
郊外のモーテルでもロビーやエントランスエリアにこじんまりと20台ぐらいマシンが置かれているところもあります。ガソリンスタンドやコンビニ、ドラッグストアなどにも置いてあるところがあります。そしてどのカジノも24時間営業です。朝ご飯の後に1プレイすることだって可能です…
このようにとにかく嫌でもカジノが目に飛び込んでくるのがラスベガスです。カジノを通らないと行けない、というぐらい大胆なレイアウトになっているのです。
お金の匂い
上述のようにあちらこちらにカジノがあるので街中のゲーセン(ゲームセンター)や自動販売機的な感覚にみえてきます。いまの電子化されたカジノのマシンはコインがじゃらじゃら出てくるような生々しい音もしません。払い出しは右の写真のようなレシートのような紙がでてきます。この紙をATMのような機械(現金払い出し機)に持っていき挿入すると、まさにATMが如く現金が手に入ります(戻ってきます)。
ラスベガスのカジノでは得にドレスコードはありません。
短パンTシャツの人が延々とスロットをしていたりします。非常にラフな感じです。そんな雰囲気もあいまって、なんとなくゲームセンター感覚に思えてきて、「1, 2ドルぐらいやってみるかな、せっかくだし」という気分になってしまうわけです(苦笑)。
どこも薄汚い感じもしなければリッチな特別な人しかできない、というような雰囲気はあまりしません。喫煙可能なカジノもありますが非常に清掃も行き届いていて、そこは大人の社交場という感じがします。お金のイメージよりも遊び・エンターテインメントとしてのイメージが強いのです。
ハイテク感
カジノというと対面式でディーラー(進行役)が居て、ポーカーやルーレットで賭けるスタイルを思い浮かべる人もいるでしょう。ラスベガスでももちろんディーラーがいるタイプのゲームは当然ありますし、夜になると人気なのかかなり盛り上がりっています。
一方で1人で行う電子化されたカジノマシンは、かなりハイテク搭載となっています。
ルーレットやポーカーのゲームを表示するディスプレイはフルHDは当然で最近は4K対応のものもあります。まだまだ日本では珍しい曲面LEDもふんだんに使われています。裸眼立体視対応のものもありました。
ディスプレイだけではありません。バイブレーションする椅子やVRサウンド搭載のものもあります。
スロットマシンにいたっては、ラスベガス中のカジノとリンクさせて当選金を積み立ててあるものがあり、リアルタイムで当選金が跳ね上がっていくのを見る事ができます。
またディーラーと対面で行うゲームでもディーラーがその場に居ないタイプもありました。コンピューターのディーラー、CGやあらかじめ撮影された人間が映し出されて相手をします。
これらが果たしてゲーム性や視認性にどれくらい寄与しているかは怪しいところではありますが、惜しげもなく新しい技術/デバイスをいち早く活用するのがカジノなのです。もう日本のゲームセンターのマシンと遜色ないハイテク技術が投入されているのです。いや、むしろこちらのほうが進んでいる気すらしました。
VR技術をつかったマシンも近々お目見えするのではないか、とも個人的には感じます。
まとめ
このようにラスベガスのカジノは一般人の敷居をかなり環境含めて下げているように思います。とにかくカジノに対するラスベガスの徹底ぶりはさすがです。ちょっと待ち時間に、と気軽にプレイするのでなんとなく悪いイメージは持たなくなってきます。とはいえ、ギャンブルです。現金を消費しますし、勝てば現金が増えます。そこは変りません。
なおUI/UX視点で見ると、ルールは同じポーカーやスロットマシンであってもタッチパネルが採用されており、そこには色々なUIがあって面白いです。長時間同じことをやり続けられるよう分かりやすく、かつ、統一感あるUIです。ただし、時々マシンによっては Max Bet (最大枚数賭ける) と SPIN(回転させる) というボタンが隣同士で配置されていて、間違って Max Bet してしまう事があり、UI改善してほしいなーと思う事も。
今回この記事を書くにあたってラスベガスのカジノ事情を調べていたら、ドラッグストアなどにスロットをおくのはどうなのか、といった記事もみかけました。いきすぎたカジノの設置については問題視されているようです。
お台場カジノ計画なんてのもあるようですが、ラスベガスは何もない砂漠につくったリゾート地だからこそ成功したともいわれています。他にも見るところがある東京にカジノをポンと造っただけで成功するのか、賭博のダークなイメージは払拭できるのか、と本場を見て考えてしまいました。
カジノの是非については置いておくとして、もしラスベガスに行く機会があるなら一度は体験としてやってみると良いでしょう。スロットマシンだと1ドルからプレイできますし負けても100円チョイです。なお、21歳未満の入場は禁止です。ありとあらゆるところから監視カメラでチェックされています。(これはディーラー含めてイカサマ防止です)。
はまらないようお気をつけください :-p