新刊.jp様より書籍インタビューを受けました(補足有り)
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書籍「音声に未来はあるか〜インターフェースがビジネスを動かす」の出版に伴い、弊社CEO河野道成が新刊.jp様からインタビューを受けました。
まだ読んでない方、このインタビューで音声UI/UXやスマートスピーカーなどに興味を持たれたかた、是非読んでみて下さいませ。なお、新刊.jp 様には事前に書評も出して頂いてます。
こちらも一緒にご覧ください。
せっかくなので、このインタビューの補足を一つ書いておこうと思います。
“インタビュー補足(技術とビジネスを繋ぐ仕事)”
インタビューの中で「サービス側からのアプローチということで、技術開発者と意見がぶつかることも多いのではないですか?」という問いの答えの補足をしておきます。
ソニーにしろ、弊社で技術コンサルやディレクションさせて頂く大手企業にしろ、また中小企業でも、そこには素晴らしい要素技術開発や研究がまだまだ沢山あります。今の日本にはIT技術力がない、なんていわれていますが、それはやや懐疑的で、確かに半分あたっている気もするけれど、半分は違うのではと思っています。
どちらかというと、せっかくの素晴らしい技術や研究がうまくビジネスや応用技術として昇華できていないことが問題と思っています。技術開発者の考える「この技術の使いどころ(メリット)」と「課題」が実際にユーザーなりビジネス側から見ると「つまらない」「不要」だったりすることは多く、「使う側から見た直近の問題」のほうが重要であったり、そこに、また一つ、差別化できる技術のヒントがあったりするものです。もちろん学術的な課題への挑戦を否定するわけではなく、それはそれで重要です。
顔認識技術で顔認識の精度と速度が問題になっている時にビジネスとして問題だったのは「マスクしていると顔認識できない」というのが最大の課題になっていた時がありました。しかし、技術開発側からすると「前提がおかしい」となかなか理解してもらえなかったことを思い出します。
ビジネスを回している事業部は最先端の技術をずっとウォッチしている時間なんてありません。どんどん新しいビジネスを企画して運用していかないといけないので、研究開発部門の技術を見せられて「これどうですか?なにかに使ってください」といわれても、なかなかその技術の良さを引き出す企画までもっていけないことがあります。
かといって、技術研究者が「こういうのに使えますよ」というデモをみても、本当に技術者だけが嬉しいユースケースで、正直、微妙なデモが多いのです(経験的に)。それはあくまでも技術デモで技術者向けであって、企画やビジネス屋向けのデモやユースケースでないのです。
私は、元々エンジニアで研究もやっていて、技術もある程度分かっている。その技術をこうすればいいのにというアイデア出しも得意で、ビジネス企画も好きでやれる、そんな自分のミッションは、研究開発部門の技術をうまくビジネスへ昇華させることでした。
「技術研究者、企画やビジネス屋、そしてデザイナーにはなんだかんだ溝がある」
UXデザインはまさに、技術・ビジネス・デザイン・人(ユーザー)を繋ぐ役割をもっています。音声UXデザインの部署を作り、音声要素技術のチームに対して横串的に活動したことで、音声UIに重要なのは音声UXデザインだと確信しました。
現在も「こんな要素技術があるんだけどビジネスに繋がらない」といった声に対して企画やコンセプトから考え、デザイン的な部分のディレクションなどUXデザインも越えてネオマデザインでは対応しております。